Quest3、Meta公式ストアで予約していたものが発売翌日に届きました。住所が少しややこしいので無事に届いて良かったです。
早速ですがレビューしていきます。
特に気になった点だけ先に書くと、音響の進化が飛び抜けて大きいです。少なくともVR面に関しては、その他の変化はまずまずです。MRの性能は満足しています。あとはハマれるコンテンツが見つかるか次第と感じます。致命的な欠点として充電の減りが早い、Oculus Linkが繋がりにくい事がありますが、機体の初期不良の可能性や、ソフトウェアの不具合で今後のアプデで改善される可能性もあるのでしばらく様子見します。
※充電の減りの速さはいつの間にか改善しました。Oculus Linkは相変わらず繋がりにくいですが、ある方法を使うことで百発百中で繋げられています。Oculus Linkに接続しやすくなる方法は見出しからどうぞ。(2023/10/20追記)
すごく良かった点
音響ヤバイ
音響に関してはかなり進化しています。Quest2ではイヤホンをつけていてもHMDで音を聞いていても大して変わらないものでしたが、Quest3はスピーカーの音質が非常に優れています。
Quest2の音質は「普通~ちょっと良いイヤホン」くらいの音質でしたが、Quest3は「ちょっと良いスピーカー~小さい映画館」並の音質があります。
とにかく重低音の進化がすごいです。Quest3では音が振動として体に伝わってきます。これはQuest3単体で遊んでいるときもPCに接続しているときでもです。
VR内でリアルな銃を撃てるH3VRというゲームで撃つと、ピストルですら低い破裂音が響いて聞こえるようになっており、ライフルを撃てば体に振動が伝わります。対戦FPSのPavlovをPCVRとQuest3単体で遊びましたが、銃撃戦をすると音と振動がそこらから響いてとてもうるさく感じます。(褒め言葉)
高音も聞き取りやすくなっており、薬莢の落ちる音などもQuest2のスピーカーよりはっきり聞こえるようになっています。
音に関してはブログでもYoutubeでも伝えようがないのが残念です。できたらこれは実際に体験してほしいですね。
音による臨場感が非常に高まっているので、HMDのスピーカーでゲームをする人、より良い音の環境で遊びたい人にはおすすめです。
実を言うとPCVRで遊ぶときの変化は音響以外はそこまででもなかったので、逆にPCVRメインで遊ぶ人で、HMDにイヤホンをつけてゲームをする方は、Quest2→3ではそこまで変化は感じられないかもしれません…
良かった点
パススルーはクッキリ。評価は今後のMR、ARコンテンツの発展次第
HMDをつけたまま現実世界を見られるパススルーは概ね思ったとおりでした。SNS等で驚かれているほどの「ほぼ現実」という程でもありませんが、普通に良いです。
「『HMDをつけたまま1日過ごしてね』と言われてもなんとか過ごせるレベル」くらいのリアルさです。食事や家事等は普通に行えることでしょう。
手の周りや視界の中央などやや歪みが発生しますが、付けたまま日常生活を送ることも十分可能だと感じました。描写にラグがほぼないのもいい点ですね。
(一定の距離感に合わせる必要がありますが)付けたままの状態で、PCやスマホ上の小さい文字も読むことができます。HMDを被ったままPCのUSBケーブル等の抜き差しも行える程よく映っています。
色合いや大まかな描写に関してはかなりリアルさがあります。Quest3をつけた瞬間にパススルーになっていると、本当にHMDを被ったのか一瞬混乱するくらいにはリアルです。手やスマホなど1部分を凝視すると歪みによって違和感に気づく、くらいの感じですね。
パススルーの性能自体にはかなり満足しています。あとは面白いコンテンツがどれくらい出るかどうか(そして自分がそれを見つけられるかどうか)が問題です。
(追記:)この記事ではQuest3を割と評価低めに扱っていますが、X(旧Twitter)を見てると現時点でもある程度MRのゲームなどは出ているようなんですよね…MRコンテンツの出来次第では評価がかなり変わるので、もっとアンテナを張ってみます。
PCVR時の解像度・画質:プレイ中は気にならないけど文字は読みやすくなった。
Quest3をPCに接続したとき、画質に関しては正直プレイ中はそんなに変化は感じませんでした。しかし、Quest3でゲームをした後Quest2をPCにつなぎ直して同じゲームをプレイすると「あれ、Quest3のほうがクッキリしてたかもな」と思う感じです。普通に遊んでいる時には気づきにくい程度の変化ですが、無意識下で違いを感じ取れるくらいには変化はあるようです。
ひょっとすると、細かい点に注目すれば変化に気づきやすいかもしれません。例えば、ゲーム内の細かい文字が読みやすくなっているのは感じました。UI以外のあまり読むことを想定されていない、ゲーム内にただある文字が読みやすくなっています。
↓これはPC側のキャプチャなのであくまでイメージですが、実際にこんな感じで銃の印字や後ろのパネルの文字などもはっきり読みやすくなっていると感じます。
戦闘をしたり、景色をさっと見る分には変化を感じませんが、細かい点に注目すると、さすがに30%解像度が上がっている分変化が感じられるのかもしれません。
白い部分を見たときのチカチカがなくなった。
主観的な感想なので思い込みかもしれませんが、Quest2では白い壁や床などの、白い面を見るとややチカチカしました。Quest3ではそれが少なくなっているように感じます。発色が良くなったのかもしれませんね。
単体の画質、処理能力はかなりパワーアップ
PCVR時の変化は音響以外そこまで驚異的な変化は感じませんでしたが、単体の能力はかなりパワーアップしています。
まず、重たいゲームもすぐに起動するようになっています。Quest2では体感1分くらい待ち時間のあったPavlov Shackが、Quest3では数秒で起動するようになっています(まだ実測はしていないのでどれくらい短縮されたかはわかりませんが…)。
起動速度だけでなく、画質も良くなっています。Pavlov Shackを遊んだところ、Quest2では(PC版を体験した後だと)ややボケて感じる画質でしたが、Quest3では軽めなPCVRゲームと同じくらいの画質に感じました。
グラフィックはだいぶキレイで、PCVRメインの人でも軽めなゲームをよく遊ぶ人なら、Quest3単体のゲームを遊んでも画質には全然違和感を感じずに遊べるのではないでしょうか。
Questのホーム画面を見比べても周りがかなりクッキリして見えます。
コントローラーにリングがないことで手の自由度はアップ。ただしリングの利点はなくなった。
コントローラーのリングがなくなったことも地味に大きいです。手がより自由に動かせます。
例えばまたVRFPSで言えば、ピストルのコッキングをアメリカンスタイルで行うことも可能です。きっと他にもいろんな動作がやりやすくなっていることでしょう。
弱点としてはリングがなくなったので、リングに指を通して片手でコントローラーを2つ持つ技が使えなくなりました。片手でスマホをいじるときなどにそうしていたのですが、これは慣れるしかないですね…
賛否両論?
鼻の上の隙間が広い
鼻の上の隙間はかなり広がっています。遊びに集中していればほとんど気になりませんが、気になる人は気になるかもしれません。
逆に、現実世界を覗きやすくなったので個人的には助かるかもしれません(パススルーがだいぶ優秀なので必要ないですが笑)
視野角はわからない。体感下方向が狭くなったかも…
視野角はQuest2が、Quest3が110度(水平)および96度(垂直)と、Quest2の水平、垂直96度(諸説あり)より水平方向に約14度広がっています。
視野角の広さについては遊んでいてもQuest2との変化は感じられませんでした。Quest2を被り直しても、3と比べて特に狭くなったようには感じなかったので、画質と違って無意識下でも変化は感じていなさそうです。
(ただし、一般的には視界が広くないとされるQuest2のときも自分は視界の狭さが全く気にならなかったので、そもそもの現実世界での自分の視野が極端に狭いのかもしれません)
(また、これは自分の付け方の問題かもしれませんが)縦方向の視野については、従来より上の方に偏っており下方向が狭くなったように感じます。ただまあそこまで気になるものでもないので、視野角に関してはいい意味でも悪い意味でも変化は少ないと言えるのではないでしょうか。
装着感:Quest2では頬に重さが来てたが3はおでこが普通に痛い。重さは変化なし
Quest2では頬っぺたに乗っかる感じで、遊ぶときは常に口角を上げたまま装着していましたが、Quest3はおでこにだいぶ負担がかかります。ただこれはいくらか遊んでいたら皮膚が丈夫になるでしょう。多分。
ベルトの向きは変えられるんですけど、おでこの負担が減るように、これを下げようとすると耳に引っかかるんですよね~…
重さの変化はほとんど感じません。Quest3は515gでQuest2より12g重たくなっていますが、薄型化し顔に近くなったことで実質プラマイゼロになっているのではないでしょうか。
装着感は正直Quest2の方が好みなのですが、たぶんそのうち慣れるでしょう。きっと。
距離調整&眼鏡用スペース作成ができるように。強度は大丈夫か?
HMD内側についているボタンを押しながらフェイスパッドを引っ張る/押すことで、フェイスパッドとレンズの距離を調整することができます。単純に距離を調整できるほか、メガネを装着したまま遊ぶ際も便利かもしれません。
プラスチックの可動部が増えているので強度が心配ですが、今のところは大丈夫そうです。
もう少し使ってみないと分からない点
トラッキング性能
トラッキングの性能に関しては、少なくとも少し遊んだ程度では全く問題を感じません。トラッキングが外れにくくなっているらしいですが、もう少し試してみないと確実なことは書けなさそうです。
残念な点
Oculus Linkが非常に繋がりにくい 11月中旬より解決
(2023/11/13追記 理由はわかりませんが、11/11あたりから特に変わった動作を行わなくてもOculus Linkが接続できるようになりました。今のところ連続して特殊な操作をせずに接続できています。こちらでは何もしていないので、ソフトウェアのアップデートによるものかもしれません。)
有線でのOculus Linkが非常に繋がりにくいです。Quest2でも繋がらないときはよくありましたが、その場合はコードを抜き差しするか、それでも繋がらない場合はPCを再起動すればほぼ確実に繋がりました。
一方Quest3はOculus Linkがかなり繋がりにくいです。線の抜き差しやPC再起動は通用しませんでした。Quest3本体の方を再起動することで繋がりやすくなるような気がしますが、まだ調査中です。
付属のUSBケーブルでも改善しなかったので、ケーブルのせいではなさそうです。
つながるときはどちらでも問題なくつながるので、今使っているケーブルは引き続きおすすめさせていただきます。
追記:Quest3がOculus Linkで繋がらない症状の解決策(おま環かも)
10/17追記:現状「Quest3を再起動する」→「電源が再び入る前にUSBケーブルをQuestから抜く」→「Quest3の電源がついてがホーム画面になったらUSBケーブルをQuest3につなぐ」という作業を行うと今のところ打率10割で繋がっています。(2023/10/20改変)
当分はこれでなんとかなりそうです。
少なくとも自分の環境では、「Quest3が再起動されており、電源が入る時にQuest3にケーブルが繋がれていない」という条件のときにOculus Linkがつながるようです。「先にケーブルを抜いてから再起動→通電後にケーブルを刺す」でも繋がりました。
以前までは「Quest3を再起動する」→「電源が再び入る前にUSBケーブルをPC、Quest両方から抜く」→「Quest3の電源がついてがホーム画面になったらUSBケーブルをPC、Quest3の順番でつなぐ」の手順が必要だと思っていたが、今のところPCから抜く手順を飛ばしても問題なし。(2023/10/20追記)
電池の減りが早い
電池の減りはとても早いです。給電性能の高いUCB C to CでPCに接続してプレイしていてもバッテリーは減っていきます。(Quest2では消費量より給電量のほうが多いためUSB Cで接続していれば永遠にプレイし続けられる)
これもアップデートで改善される可能性もあるので、しばらく様子見して待って、治らなければ以上の2点は公式に連絡するつもりです。(Quest3は1年間の保証期間あり)
→いつの間にか改善していました。現在はUSB3.0の typeCで接続していれば普通に長時間遊んでいても電池が切れることはありません。改善した理由は不明です。特にいじった部分はないので、ソフトウェアのアップデートにより不具合が解消したのでしょうか。(2023/10/20追記)
ファンの音がそれなりに聞こえる
Quest2はファンの音は最初は全く聞こえず、1年ほど使うと偶に小雨程度の音量で聞こえるようになる程度でしたが、Quest3は最初からファンが結構音を出しています。機械部分が薄型になったことで、ファンも顔に近くなったのかもしれませんね。
ゲームの妨げになるほどの大きさではないですし、音質の向上のほうが大きいので騒ぎ立てる程ではないと感じました。特に問題はないので、これに関しては気にしない予定です。(静かな環境では機械の回転音が聞こえる程度。ゲームのBGMや効果音がなっていればすぐ聞こえなくなる)
結論&感想 今買うべき人
MetaQuest3は、おそらくMR体験及び単体でのVR性能にかなり力を入れた機体になっているのでしょう。少なくとも僕はそう感じました。
PCVRメインで遊ぶ人で、Quest2を使っている人はまだまだ買い替えなくてもいいかもしれません。ただしPC接続時に関しても音響のパワーアップはかなり目を見張るものがあるので、特にVRFPSや(もしあるなら)太鼓やドラムのゲームなど、重低音が大事なゲームをイヤホンをあまり使わずに遊ぶ人なら普通におすすめできるかもしれません。
音の振動感はかなり伝わってくるので、VRで映画を観る人にもおすすめかもしれません。
音響なのに目を見張るとな
MRの分野はまだ全然触っていないので評価ができませんが、もし興味のあるソフトがあるのであればおすすめできると思います。先にも書きましたが、パススルー性能はHMDをつけたまま日常生活を問題なく行える程度にはリアルです。ある程度の歪みは否定できませんが、MRの空間内で遊びをしたり、装着したままHMD越しにPCやスマホの操作をする分には全くもって充分でしょう。パススルーの発色はとても綺麗で、色に関してはほぼ現実です。
自分の問題がソフトウェア側の不具合なのか、ハードウェア側の不具合なのか、もしくは環境の問題なのかはわかりませんが、新しい商品なので初期不良に当たることもあります。また、それらの不具合に当たった場合の解決策の情報がまだ少ないです。確実にVRを(特にPCVRのゲームを)遊びたい場合はもうしばらく待つか、情報が多く、安定しているQuest2の方をおすすめするかもしれません。
3万円近く差があるので、MRや音響にそこまで興味がなければ現時点ではQuest2がおすすめです。最低でも接続の問題が解決すればイーブン、MRのコンテンツでH3VR並にハマれるものが見つかればQuest3推しになるんじゃないかな~と思っています。
→Oculus Linkの接続の問題は解決できたので、あとは新コンテンツがどれくらい楽しめるかですね。(2023/10/20)
それにしても音響の変化は素晴らしいです。重低音にこだわりのある方は多少リスクを負ってでも買ってしまって良いと思います。
まとまりがなくなってしまいましたが、今回の記事はこれで以上とします。またわかったことがあれば追記、編集するつもりです。最後までお読みいただきありがとうございました。よかったら他の記事も読んでいってください。
おすすめ記事:SteamVRのおすすめゲーム集!!
MetaQuest等のHMDをPCに接続して遊ぶ方は、SteamでVRゲームを買うのがおすすめです。PCVRはHMD単体のゲームよりも画質が良いからです。
以下の記事ではSteamVRのおすすめゲーム集を紹介しています。バトル系が多いのでVRで戦いたい人は必見!
追記など
MRは遊びより実用向きかも?体をぶつけずにフィットネス可能(2023/10/16)
正直自分の部屋がゲームの世界になるよりも、ゲームの世界観に入り込む方に興味があり、現状まだMRにはそんなに興味が湧いていません。MetaQuest3を起動時に自動インストールされる First Encountersを遊んだ時も「あー、部屋が荒野につながってモンスターが出てきたなあ」と思うくらいで正直そこまで魅力を感じませんでした。
ですが、先日ボクシングゲームの「The Thrill of the Fight」を遊んだ際に、MRモードがあるので試してみたら一つ気づきがありました。部屋が汚いので画像は載せませんが、このMRモードがかなり便利です。家の床や壁が見えるので、壁を殴ってしまうこともないし、ものを踏んで転ぶこともありません。さすがに転んだことはないですが、躓きかけたり壁を殴ってしまったりは何度かあるので、これはかなり便利に感じました。部屋の間取りの関係でよくキャラクターが壁に埋もれてしまうのですが、試合中は部屋の中でちゃんとボクシングができます。
まだゲームとしての面白さは(体験したコンテンツが少ないのもあって)そこまで感じられていないのですが、体をぶつけないという点で実用性は高いように思えました。MRは体を動かすエクササイズ系のゲームと相性が良さそうですね。
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