ドンピシャで出る記事がなかったので。
海外のゲーマーがFPSゲームについて会話するとき「Bullet Sponge」という用語が出ることがあります。この意味を調べていきましょう。
結論から書くと、「体力が非常に多く倒すのに時間がかかってただただ退屈な敵」を表す用語のようです。
このRedditのスレッドでわかりやすい回答が多かったのでいくつか翻訳して載せていきます
1人目の回答。ただHPが高いだけじゃなく、倒すのが退屈なことも定義として挙げています。
2人目、3人目のコメント。やはり倒すのに時間がかかる上に対決していて楽しい行動やリアクションがなく「ただ時間がかかるだけ」な敵を指すようです。3人目のコメントではHPがすぐに回復してしまう場合も例に挙げられていることから、「HPが多い・倒すのに時間がかかる」という点よりも、「倒すのに時間がかかり、かつそれが退屈」なことが主眼に置かれている用語のようです。
ただし、1人目のコメントから、現在ではHPがただ多い敵に対してこの用語を使う人も多いのではないかとも推測できます。(この人はそれを軽率だと語っていますが)
最後に、5人目の回答を見てみましょう。この人は定義ではなく、なぜBullet Spongeが問題なのかを語っています。通常のゲームではザコ敵には挑戦的な要素(戦ってて楽しい要素)はないけれど、弾丸数発で死ぬから戦闘自体が退屈でもそんなに問題がないのに対して、そういった戦ってて面白い要素のない普通のザコ敵が多大なHPを持っていた場合はただ時間を浪費するだけになってしまいます。だからBullet Spongeはプレイヤーにとって嬉しくない存在なわけですね。
後半の文章もすごく共感します。ずっと射撃ボタンを押してなければならないのは退屈ですし、全くアーマーもないしロボット系の敵でもないような普通の生身の人間がアサルトライフルを十数発当てないと倒れないのはプレイしていて違和感が大きく没入しにくく感じることでしょう。
Bullet Spongeの由来について調べてみた
Bullet Spongeの由来について調べて見ましょう。こちらのボーダーランズ3の攻略Wikiは「Bullet Sponge」で検索して現在唯一1ページめに出てくる日本語ページですが、コメント欄を見ると3つの意見が出ています。
簡単にまとめると、「倒すために大量に弾を大量に撃たなければならず、まるで自分の撃っている弾丸がスポンジのように感じさせられることからbullet spongeと呼ぶ」と書いている人と「弾をスポンジのように吸収してしまうからbullet spongeと呼ぶ」という人と、それから「名前自体に意味や由来はない(慣用表現?)」としている人たちの3種類がいるようです。
正確なことがわからないので、英語でもう少し調べてみます。
「語源」を英語で「Origin of a word」と言うようなので、「Bullet sponge origin」で検索してみました。
元々の、ゲーム用語になる前の一番最初の語源をたどると、これらのサイト(サイト1、サイト2)によれば、アメリカの陸軍歩兵や海兵隊で最前線に出る兵士のことをSponge bulletと呼び、その理由はスポンジのように弾を吸い上げる(前線にいるため弾をくらいやすい)からだと書かれています。
少なくとも、ゲーム用語になる前の段階では「まるで水を吸い上げるスポンジのように弾丸を吸収してしまうから」Sponge bulletであると確認できました。
さて、ゲーム用語の方については「Bullet sponge origin of name」「Why we call bullet sponge」など色々検索して出なかったので諦めかけていましたが、ついに発見しました。英語版Wikipediaに「Glossary of video game terms(テレビゲーム用語集)」というページがあったのです。
早速Bullet spongeの部分を見てみましょう。内容は以下のとおりです。
DeepL翻訳をしたところだいぶ硬い文章になったので、自分で組み直しました。ざっくりこんな感じです。
倒すために現実的じゃないくらいに弾を当てる必要のある敵のこと。これはスポンジが液体を吸収するかのように敵が弾丸を吸収することに由来している。例えばFPSで、ほかの兵士は数発で倒せるのに、ある兵士はマガジン何本分も撃たないといけない場合、彼のことをBullet spongeと呼ぶことができるだろう。
https://en.wikipedia.org/wiki/Glossary_of_video_game_terms だいぶ改変。
つまり、弾丸をスポンジのように吸収してしまうから「Bullet Sponge」と呼ぶ、ということで正しかったようです。
(自分だけかもしれませんが)日本人がスポンジと聞くと柔らかいものを想像して、硬い敵なのにスポンジなのはおかしいと思いますよね。自分はボダラン3のWikiを見たときに「弾丸がスポンジのように感じるから」というのにとても納得していたのですが、直接「スポンジが弾丸を吸収できる」のではなく、「スポンジが水を吸収すること」を比喩として「弾丸と敵」に適用した結果生まれた用語のようです。
一見「硬い敵なのにスポンジ」で違和感が大きいですが、「スポンジが水を吸収できるように、弾丸を吸収できてしまう敵」ということだったわけです。最初は戸惑いましたが、由来が分かれば納得ですね。
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