こんにちは、まっちゃんです。名作VRゲームと名高いHalf-Life:Alyxをノーマルとハードで一周ずつ、合計2週プレイしました。
実をいうと、1週目をクリアした時点では僕はこのゲームのアンチでした。理由は単純で「楽しくプレイさせてくれないから」です。2周目を遊んだ現在ではこのゲームの良さがわかりますが、1周目のときは下記の流れでひたすらストレスをためていました。
(この記事は前半が2週目を遊んだ後での感想で、後半が1週目の時に書いたレビュー記事+2週目プレイ後の自分によるツッコミでできています。前半部はやや日記的な要素があります。いわゆるレビュー記事が見たい人は目次から後半に飛ぶことをお勧めします。)(攻略方法が見たい人も目次の下の方へどうぞ。)記事が長くなりすぎたので攻略は別記事にしました。
一周目このゲームが苦手だった理由
僕が一週目にこのゲームを楽しめなかった原因はゲームシステムと自分のこだわりがかみ合わなかったことです。このゲームを遊ぶまで気づかなかったのですが、「リソースは必ず積み上げながらゲームを遊びたい」というこだわりがあったようです。ですがこのHalf-Life:Alyxではそうはいきません。
あるシステムによりこのゲームでは弾丸がほぼ増やせません。なので「弾丸を増やすために弾をケチって遊ぶ」という遊ぶ方で遊ぶと楽しくなくなります。この遊び方をすると直接的、間接的なことを含めて3つの点でゲームを遊ぶのがストレスになります。
多分後半部では何度も書いていると思いますが、このゲームには「所持弾数が少ないほど弾が出現しやすくなり、所持弾数が多いほど弾が出現しにくくなる」というシステムがあります。したがって、頑張って少ない弾の消費で進むとその辺の棚やロッカーをあさっても思ったより弾が増えません。ここで2点ストレスが増えます。①弾が増えないこと。当然ですね。弾を増やしながら進むことが目的だったので、それが達成できずストレスが増えます。②漁るのが嫌になること。通常の遊び方をすれば結構な頻度で弾が出ます。普通は漁れば報酬が出るのでむしろ漁るのがこのゲームの楽しみの一つになるでしょう。しかし弾を無駄にしないようにすると上記のシステムの影響で戸棚などをあさっても何も得られない場合が増えます。頑張って探してもアイテムが得られなかったら楽しくないですよね。
そしてストレスをため、カリカリイライラしながら遊んでいると第三の問題に突き当たります。それが③視野が狭くなることです。このゲームは基本一本道ですが、たまに突き当たりがあり、そこから進むにはパズルを解いて先に進む必要があります。視野が狭くなっていると、そもそも「何がパズルの対象物なのか、どのオブジェクトを操作すればいいのか」に気づくことができません。実際1週目のプレイ時は謎解きのたびに詰まって足止めされ、弾が足りないことと先に進めないことでひたすらイライラしました。ですが2週目をプレイしてみると、答えがわかっているということを含めても「なんでこんな簡単なことに気が付かなかったのだろう」と感じます。
この遊び方をしても弾はそんなに増えないので、戦闘時も「弾を減らさないようにしないと」と思ってしまいプレッシャーが増え、本来楽しみだったはずの戦闘もストレスになっていたかもしれません。
もちろんまだ二週しかしていないので偶然運が悪かったとか、本来は一周目ももっと弾が出ていたけど視野が狭くて気づけなかったとかあるかもしれませんが…
(一周目でもピストルの弾で少なくて50発、多くて110発はキープしてましたが自分は最低120発、できれば180発くらい持っておきたかったので勝手にイライラしていました)
弾は気軽にばらまこう
このゲームを今から遊ぶ人に1つだけアドバイスをするとしたら、「弾は節約せずバラ撒こう」ということです。
2週目はハードモードであり敵の体力が多くなっていたため、また前半アイアンサイト縛りで遊んでいたこともありどんどん弾をばらまいて進んでいました。
すると1週目と比べてその辺のオブジェクトをあさったときに驚くほど弾がもらえました。ほとんどの所で一部屋に1個はマガジンがあるので漁っていて楽しさを感じることができました。本来はこんなに楽しいゲームだったんだ…と驚きすら覚えました。
弾は0発~50発などと少ないことがほとんどでしたが、「次の戦闘までに1戦分は最低限集まる」ということが分かっていたのでストレスなく遊べました。追い詰められたときにストレスを感じやすい人は最低限このことだけでも覚えて遊んでおくとストレスを感じにくいはずです。
少しかっこつけて言うとこのゲームはストックがほとんどなくひたすらフローを回していく作りのゲームということです。手元に弾丸はほとんど残りませんが、必要な分手に入って必要な分撃つことができます。どうせ弾は手に入るんだから気楽に遊ぼうと考えるか、極限状態での戦闘シミュレーターとして遊ぶかはプレイヤー次第です。(ストレスをためやすい人は前者がおすすめです…!!)
攻略のコツ:「赤いものは握れる」「配線を見よ」
このゲームではハンドルやレバーなど、触って動かすことで直接謎を解けるオブジェクトは赤い色をしていることが多いです(例外あり)とはいってもこのゲームではリアリティを重視してあるため、いかにも真っ赤、というわけではなく、あくまで自然なペンキの色、それも塗装のはがれかかったくすんだ赤色です。なので注意深く見ないと見逃してしまうこともあるかもしれませんが、迷ったら赤色を探してみてください。(この記事で複数枚画像があるときはタップ/クリックで拡大できます)
また、配線を見ることも重要です。「マルチツール」というアイテムを使って壁の中の配線をいじることがあるのですが、マルチツールの起動場所がわからず詰まった場合は壁の外の配線を探してみましょう。黄色や緑、青色など色付きのコードがそこらに伸びています。その端を追っていくとマルチツールの操作箇所が見つかることがあります。
先にも書いたようにこのゲームでは見た目のリアリティが追及されています。なのでいかにも「操作できそう!」という物体があっても操作できない雰囲気付けのためにリアルにされているただのオブジェということもありえます。
このゲームの謎解きは正しい順を追ってやらないといけないので、操作できる物体ではあるけれども使うのは後で、今は別のオブジェクトを触らないといけないということもあります。
なので怪しい場所なのに動かないという場合はあまり執着しすぎずにほかの場所を見てみる視野の広さが重要です。
MODが導入できない?MODは新規セーブデータのみ反映可能
このゲームには走行、ダッシュがありません。なので一週目の際、↓のMODを入れようとしたのですが反映されませんでした。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=2808362643
MODを入れる際は、メインメニューで設定からオンにし、そのあと新規ゲーム作成でアドオンをオンでプレイする必要があります。プレイ途中のセーブデータにMODを反映させることはできません。
このMODで走れるようにするとだいぶ快適度が上がるのでおすすめです。
↓ストーリー攻略で使えるMODをまとめました。特にガンマンMODは必須です。ヘッドショット倍率が上がるので、弱点を狙うことができればハードモードで被弾の緊張感は保ったままスピーディな戦闘を楽しむことができます。更に近接武器のMODを入れれば貧乏性な人でもだいぶストレスフリーに遊ぶことができます。
グラフィック設定は高、最低でも中以上で
一週目プレイ後ほかの人のSteamレビューや感想ブログを見て、多かったのが「作りこみがすごい」という意見だったんですね。
自分は一週目の時はあまりピンと来ず、「はいはいどうせ自分は景色とか絵を見ても感動できない感受性のない人間ですよ~皆さん高尚ですね~」と勝手に卑屈になっていましたが、これは1週目のプレイ設定が問題でした。
ちょうどPCを買い換えており、2週目は新しいパソコンでグラフィック設定は「高」で遊びました。すると本当に世界が違いました。(一週目は「低」でのプレイ)
高設定で遊ぶと遠景を眺めた時の空気感や、その辺に落ちている小物一つ一つのリアル感が凄すぎたのです。まさに作りこみのなせる業でしょう。こればかりは体験してもらわないとわからないと思いますが、「これ実は実写でセット作ったのをVRで遊んでるよ」と言われても信じてしまうくらいに現実感があります。下にいくつかうまく撮れたものを挙げてあるのでクリック/タップで拡大してみてください。今見えているものがそのまま目の前に、両目で立体的に見え、しかも触れるので本当に現実感が強いです。これであとは触覚があれば完全に現実と誤解することでしょう。
今挙げたものだと1枚目のたばこの写真と4枚目の風呂の写真がお気に入りです。たばこの写真では灰皿の金属の質感、たばこの紙の質感がはっきり示されています。風呂ではすり減った石鹸から生活感が、壁、浴槽、洗剤容器の汚れから廃墟と化してからの年月が感じられます。
すごいのは小物だけでなく、2枚目と5枚目の写真を見てわかるように遠目で見た時も現実感がしっかりあふれています。
低設定で遊ぶと画質はかなり落ちそこまで深い空気感、本物感を味わうことができません。正直なところ、一週目は普段PCゲームを遊ぶ時と同じように見た目には注視せず「先へ進むこと」「戦い勝利すること」ばかり気にして遊んでいたのでこのゲームはただのテンポの悪いVRFPSゲームでした。
このゲームの面白さの4割くらいはこの精巧なグラフィックにあると感じています。性能の高いPCで高いグラフィック設定で遊ぶと、道中の探索をしているときもそれは退屈な時間ではなく、「見て楽しめる」ゲームになります。床、壁、小物、景色、全部人が作ったものとは考えられないほどリアリティにあふれていて周りを見ながら進むだけでも楽しかったです。普段「自分が行動」しないと満足できない自分が「見ること」で楽しめるのだから相当なものです。
やっぱり高設定だと素材の質感と光のリアリティが違いますね…
普段グラフィックをあまり気にしない人でもこのゲームはなるべく高いグラフィック設定で遊ぶのがおすすめです。Steamのゲームは2時間までなら返品ができるので、グラフィック設定を中以上にすると重くなるようだったら返品を視野に入れてもいいかもしれません。(もちろん人によっては低設定でも楽しめるかもしれませんが…)
また、画質設定を下げると色がやや淡くなります。要するに薄くなります。このゲームではレバーなどのつかんで操作できるオブジェクトは赤色なことが多いのですが、1週目は低設定で遊んでいたので周りのオブジェクトと区別がつきにくく発見が遅れました。低設定で遊ぶと必要な観察力が少し増えるのもある意味問題点です。
ハードモードの感想(2週目の感想)
このゲームのハードモードは敵の体力と自分の被ダメージが増えるオーソドックスなものです。敵のスピードが上がり回復薬の回復量が下がってるような気がしないでもないですが多分気のせいでしょう。銃撃戦に慣れているつもりでも気を抜くと死にます。(3敗)敵の体力が増えているのでしっかりカバーアクションをしながら撃つ必要があります。(逆に言うとノーマルは先撃ちすれば相手が撃ち始める前に倒せる難易度です)
戦闘中に弾切れになったりと大変でしたが歯ごたえがあって面白かったです。持っていられる弾数が少ないのは相変わらずですが、先述のように所持弾数が少ないほど弾が出現するため弾がたくさんもらえ漁り作業自体が楽しく、物色で得るものが少なくイライラすることが起きないので、ほかのVRFPSを遊んでいる人は最初からハードモードで遊んでもいいかもしれません。
ハードモードで気づけたのが回復マシーンの回復量が有限だということです。中の液体が減っていって面白かったです。
2週目でも気になったこのゲームのデメリット
死角に配置されている爆発する植物や、死体に仕込まれたグレネードのブービートラップ、進んできたままに降りると死ぬ穴など、意地の悪めな要素があるのは好意的になった後でも否めないですね。一応どのトラップも気づきさえすれば回避可能なので理不尽とまでは言わないかとは思いますが、意地悪な要素が受け入れがたい人にはお勧めしにくいかもしれません。
また、テンポの悪さはもう少し改善可能だと感じました。まずは死亡時、落下死したときは体力がゆっくり削れて死にますがその間何もできないので待ち時間が無駄です。弾薬クレートのパズルでミスした時も数秒間の演出を見ないといけないのでせっかちな人にとってはストレスがたまるでしょう。ホラーのために必要な場所はともかく、レバーを押しっぱなしにしないといけない場所やハンドルをたくさん回さないといけない場所が多くあるのもテンポを削いでしまっていると感じました。
最後に、プレイヤーがどこを向いていようと主人公と仲間は重要な物体を見ている前提で話をします。やや上を向いて歩く癖がないとアリックスやラッセルが何について話しているのか見逃します。(ネタバレのため反転)宙に浮くヴォルトを発見するとき、ストライダーを見つけるとき、大砲を見つけるときなどがあります。弾を探してやや下を向いて歩く癖があると彼女らが何について言っているのかわからないでしょう。
↓三週目を遊んだ後に作ったグチ動画
使用した機種スペック:おすすめヘッドセットMetaQuest2
一周目:CPU; intel corei7 9700 GPU;GTX1660ti メモリ24GB
二周目:CPU intel corei5 12400F GPU:RTX3060 メモリ32GB
スペックについてですが、遊ぶだけなら一周目のものでも足りますが、レビューなどでよく言われる「細部の作り込み」を体験するには高画質で遊べる二周目のスペックがほしいところです。(後述)
↓ヘッドセットはMetaQuest2を利用しました。現在品薄の人気商品です。普及を目指すため、通常は十数万円する高性能ヘッドセットなのに通常よりかなり安い4万円で買えてしまいます。
MetaQuest2での操作方法はこんな感じです。
左スティック:移動 右スティック左右:回転 右スティック下:テレポート移動 右スティック上:よじ登り(登れるところに向かって歩いているとき) グリップボタン:つかむ トリガーボタン:引き金を引く Aボタン:リロード予備動作(ピストルでマガジンを抜く、ショットガンとサブマシンガンは弾の挿入口が開く) Y長押し:メニュー Bボタンすばやく二回:バースト切り替え(ピストル強化後)
Viveのコントローラーだと握る動作がかなりリアルらしいです。値段は3倍くらいしますがより楽しみたいならおすすめです。
箸休め:おすすめVRゲーム集
おすすめのVRゲーム集です。文字部分を右クリック(スマホの場合長押し)して「新しいタブで開く」からどうぞ。Alyxもトップ5にランクインしており、この記事とほとんど同じような愚痴と対策法を書いています笑、
以下、一週目プレイ時に書いた記事です。2週目プレイ後の視点でのツッコミ、補足をこの枠に入れて書いていきます。
↓以下一週目プレイ時の記事
こんにちは、まっちゃんです。先日超好評なVRゲーム、Half-Life: Alyxをプレイしました。
一言で感想を書くと前半はかなり苦行でしたが、遊ぶ意識を変えてからは結構楽しめました。
書きたいことは全部Steamレビューで書いたので、ここではまだ購入していない人が気になるであろうことを書いていこうと思います。
景色・オブジェクト・作りこみ
自分が最初このゲームを楽しめなかったのは、先に進むことと戦うことに執着してしまっていたからかもしれません。
このゲームは世界観の作りこみが半端ないです。ぼろぼろのアパート一つとっても「数年前まではここで実際に人が住んでいたんだ」という雰囲気がとてもよく伝わってきます。
誰かが返ってくるのを待っていたかのように食卓に置かれた食器、錆びかけた水道、腐って原型を失った果物など…周りを見渡すことでそこで何が行われていたのか、どのように人々が日常を失っていったのかを想起させます。
外にも街並みも美しい、それでいて不気味な景色が広がっています。レンガ造りのアパート群とエイリアンの作った鋼鉄と機械の塔や空に浮かぶ謎の建造物など、リアルな建築と異質な建築が同時に存在し、現実と非現実のはざまのような世界観が形成されています。
小物のオブジェクト一つ一つも細かく作られています。歯ブラシ、石鹸、本など、それらがそこにあることで世界が「そこにある」という感覚が強められます。これらは全て手に持ってつかめるので隅々まで眺めることができます。特にブラウン管のテレビや旧式の扇風機なんかはレトロフューチャー感がありつつも「その世界ではこれが現実なんだ」という感覚をしっかり味わわせてくれます。
2週目追記:1週目は画質「低」でしたが、それでも雰囲気程度なら味わえます。ですがこの作りこみの本質を味わうには高画質でのプレイが必須です。上記の文章を見るとわかるかもしれませんがものの配置や存在自体には触れていますが素材の質感や実物感には全く触れていません。低画質だと「あーなんか小物あるなぁ生活環あるなぁ」程度で終わりますが高画質だと「すげー…ほんものの歯ブラシだ…本物の空き缶だ…これ人間が再現したものとか嘘だろ…」と軽く感動します。建物の外観もしっかり作りこまれていていい意味で「ゲーム感」が全くありません。「本当にレンガでできてる」という感じがしっかりします。
操作感
操作感は間違いなく良いです。他の人の記事やレビューを見る感じ、今でこそこのゲームと同じくらい快適な操作のできるゲームはたくさんありますが、おそらく発売当初はとても革命的な操作感のゲームだったんだと思います。
世界にあるあらゆるものを掴んで投げることができ、また投げたものはかなり思った通りに飛んでいきます。
主人公はグラビティグローブというデバイスを両手に装備しており、手のひらを対象に向けてから引っ張ることでアイテムを手元に引き寄せることができます。
銃も他のVRFPSと同様自分の目でエイムすることができ、空マガジンの排出、マガジンの装填、コッキングと一通り快適に可能です。
現在ではこのゲームと同等の操作感のあるゲームはそこらにありますが発売当初は本当に異常なほど良い操作性だったのでしょう(同じこと書いてる…)今プレイすると「普通に操作感の良いゲーム」くらいです。グラビティグローブ的な操作も他ゲームでも使えることが多いですし…ですがそのきっかけを作ったゲームということなのですごいのは間違いないでしょう。少なくとも操作性で困ることは全くないです。
怖い?ホラー要素について
このゲームはホラー要素が強いことで有名で、実際にグロい生物や植物、内臓のはみ出たゾンビなどがジャンジャン出てきます。
↑一応グロ系なので…リンクをクリックでimgurに飛びます。
折角お金をかけてゲームを買うのだから、最後までプレイできるか心配ですよね。ですが、実際にやってみて怖いと思うかどうかは「自分でヘッドセットを付けてプレイ」してみないとわかりません。
自分は現実世界だとめちゃくちゃビビリで怖がりで、モニタ上の怖い画像も苦手ですが、なぜかVRの世界では恐怖をあまり感じません。剣でリアルな戦闘ができるゲームでも実際にプレイしている時は全く怖さを感じなかったのに録画してモニタで見てみるとどれだけグロいことをしていたのか気づかされます。
このゲームも同じように、他の人のスクリーンショットを見た時はグロいと思いましたが実際にヘッドセットを付けて見るとそんなに怖く感じませんでした。グロさ以外にも暗闇を進む恐怖や強力な化け物と一緒に閉じ込められる恐怖なども用意されているのですが、なぜか平気でした。
理由はわかりません。画質設定を「低」にしていたからかもしれませんし、VR空間内に入ることでアドレナリンが出まくっていたのかもしれませんし、後述のように所持弾数の少なさにイライラしながらやっていたからかもしれません。
とにかくモニタを見た時に怖いと思うかどうかと、実際にヘッドセットをかぶってプレイした時に怖いと思うかどうかは必ずしも一致しないということです。もしかしたら逆に画面だと怖くないけどVRだと怖く感じるという人もいるかもしれませんね。Steamなら2時間以内なら返金もできますし、迷うのならとりあえず買って遊んでみると良いでしょう。
2週目高画質で遊んだら怖くなるかと思ったら意外と平気でした。このゲームでは何か飛び出してくるときは事前に予兆があり、脅かし要素がないのが大きいかもしれません。
唯一グロ度が上がったと思うのはバーナクル(天井に張り付いてる敵)を倒したときにでる液体のゲロ感が非常に増していました。気持ち悪いというほどではありませんが「うわぁー…」って感じになりました。
銃撃戦
これはかなり楽しいです。
普通にVRのFPSとしても優秀ですが、僕がなによりこのゲームならではだと思ったのがグレネード周りです。
まずこのゲームではグレネードの操作が片手で完結します。持ち、ボタンを押し、投げれば数秒後に起爆します。普通のVRゲームだといったん武器をしまって片手でグレネードを持ちもう片方の手でピンを抜かないといけないのですが、このゲームではそれがないので非常に快適にグレネードを使うことができます。
そしてグラビティグローブというこのゲーム特有の装備と、このグレネードとの相性がとても良いです。グラビティグローブを使えば少し離れた場所のものもつかめるので、投げ損ねたグレネードを一度手元に戻して投げなおすこともできますし、その辺に落ちているグレネードを見つけたら吸い寄せて即投げつけることもできます。一番面白いのは敵が投げてきたグレネードも投げ返せることです。グラビティグローブならその場に行かなくても一瞬で手元に引き寄せられるので割と簡単に投げ返せます。このゲームの投擲自体がとてもやりやすいのもグレネードの使いやすさに拍車をかけていますね。
銃はピストル、ショットガン、サブマシンガンの三種類です。どの武器も自分の手でリロードし、自分で狙って撃つことができます。ピストルとショットガンに関してはリロード後のコッキングもすることが可能です。リロードやエイムの操作感も他のVRFPSに劣らず快適です。
出てくる敵も動きがゆっくりだったり攻撃前にタメがあったりするので初心者でもしっかり狙って撃てば当たると思います。ただし敵の小さいドローンみたいな奴と甲殻を背負った羽虫のようなアントライオンはしっかりと良く狙う必要があります。前者は接近戦になることが多いのと、後者は慣れてきた後半にしか出ないので狙うのが苦手でもそこまで心配しなくても大丈夫だと思います。
敵の数自体も控えめに設定されているらしく、多くても同時に対処する敵は3~4体程度の数です。
戦闘そのものはかなり快適ですが、戦闘関連に2か所問題点があります。1つは特に序盤、非常に少ない弾数でゲームが進行すること、2つ目は近接攻撃がないことです。これらについては後の項目でまた説明します。
ハードモードだと敵の動きが速い(気のせいかも)なのでゾンビやバーナクル以外の敵をしっかり狙ってから撃つのは結構大変です。2週目はレーザーサイトも利用しつつなんとなくの感覚で撃ってました。
ストーリー
前作未プレイでもこれくらいは分かりました
・エイリアンに支配された地球でレジスタンスしてたら親父が捕まったぜ!助けに行くぜ!
↓
・なんか敵がすげー武器持ってるらしいから奪いに行くぜ!!
↓
・なんか入っちゃいけない所にはいっちゃったぜ!→時系列後の前作へ続く
逆に言うとどうして地球がエイリアンに占領されているのかとかどうやって変な動植物が繁殖したのかとかそういう過去のことは作中で一切説明されません。詳しいことが知りたかったら前作をやる必要があります。
人間関係も詳しくはわかりませんが、遊んでいれば主人公、通信相手、おやじの3人がどんな人なのかは大体わかることでしょう。
会話劇は普通に面白いので特に固有名詞ばかりで意味不明になったりはしません。異形だらけの地球で目的のために頑張るというストーリーは普通に楽しめます。
ただし難点が一か所だけあります。(以下ネタバレ)
ラストは知らんおっさんと主人公が精神世界?でよくわからん話をして終了。
です。多分これも前作をやっていればどんな話だったのか理解できることでしょう。
特にツッコミなし。Steamレビューで実質ラスボスのロボとの大砲戦闘がしょぼいと書きましたが、ハードモードだとたくさん砲弾を当てられるので楽しかったです。
スペックはGTX1660tiだと重い?
普通に動きます。スペックに合わせて自動で設定される初期設定だと設定は「中」になっていましたが、やや重かったので自分で「低」に変えました。
主観ですが、基本的に30~50fpsくらいかな?といった感じです。現状だと爆発の発生時などごくまれにですが映像が不安定になったり15fpsくらいまで落ち込んだりすることもあります。ずっと60fps出して遊びたい!!という人はもっと良いGPUを積んだPCを買うのが良いと思います。
タスクマネージャーを見た感じやはりVRAM(GPUメモリ)がやや足りてないようです。他の性能は余裕がありそうです。
RTX3060だと高設定でも余裕で動きます。ただ敵が多い場所や階段の上り下りの途中など負荷のかかる場所でスティックで回転すると一瞬画像が乱れます。試しに低画質にしてもそうですしH3VRなど他のVRゲームでも起こるので、VRゲームは回転の際に映像が乱れがちなのは仕方ないのでしょうか。
どれくらいのグラフィックボードがいるのかはわかりませんが、何度か書いているようにこのゲームを完璧に楽しむにはグラフィック設定を高くしている必要があるので、少なくとも2022年現在ミドルスペックと呼ばれるもの以上のPCでのプレイがおすすめです。
残念な遊び方をしないために
弾不足について:弾が足りなくてもイライラしないこと
Steamレビューでも書きましたがこのゲームではかなり少ない銃弾の数で先に進まなければならない場面が多々あります。
そういった場面でもイライラせずに遊ぶことがこのゲームを楽しむコツです。このゲームには所持弾数が少ないほど弾が多く出現し、所持弾数が多いほど弾が出にくくなるというシステムが搭載されています。
僕は当初、隅から隅まで血眼になって弾を探し、弾を無駄にしないよう全弾ヘッドショットする意気込みで遊んでいました。そして節約しても節約しても増えない弾数にイライラし、常に頭の中は「弾はどこだ…」と考えながらプレイしていました。
これでは本来楽しいゲームでも楽しめるはずありませんね。
不要に疲れたくなければ、弾は全て使い尽くすくらいの気軽さで遊びましょう。先述の通りこのゲームには所持弾数によって弾の出現率が変わるシステムがあるので、重箱の隅をあさるほどガチで弾を探してもそこまで弾は増えませんし、てきとう~に遊んでいても戦うための最低限の弾薬は集まります。
実際、この仕様を知った後、試しにチャプター7でジェフくんに全弾撃ち込んでみました(もちろんジェフくんは死にません。)それでも次に戦闘が起きるまでにはちゃんと最低限1戦に必要な弾薬が揃い、その後しばらく進めれば以前の弾数と同程度の状態に持ち直せました。後半は銃撃戦が増えるので単純に出る弾が増えるのもあるかもしれませんが、弾を撃ち尽くすくらいの気持ちで遊んでも詰みはしないようです。
また、仮に出ている弾を既に拾いつくした状態で弾切れになったとしても、その辺にそっと銃弾が出現する仕様になっているようです。近接攻撃はありませんが完全に詰むことはなさそうです。
タクティカルリロードが(心理的に)しにくい問題について
序盤、弾は足りないし満タン以外のマガジンはリュックにしまえないしでとてもタクティカルリロード(全弾撃ち切ってない状態でのリロード)をやる余裕がないと思います。最初はそうですが、銃の装弾数を拡張してからは銃本体に弾を保持できるようになるため途中でのリロードが比較的やりやすくなります。弾切れ時以外にも自分のタイミングでリロードしたい人も安心してください。
弾が足りなければ出るシステムなので容量増加の改造をしていなくても撃ち切ってない途中でガンガンリロードしちゃいましょう。
謎解きで詰まっても焦らない
このゲームには戦闘要素以外に探索と謎解きの要素があるのですが、謎解きと言ってもゼルダの伝説のような謎解きゲームというより、スマホでよくあるような脱出ゲームに近いです。
ゼルダの伝説で「何をすればいいか」が分からなくなることはあまりないとおもいます。例えば高い難易度で有名な時のオカリナの「水の神殿」でも、基本は①水位を変える②ヘヴィブーツで潜る③フックショットで移動する これらの行動を組み合わせて行動し続けていればクリアできますよね。後は試行錯誤しながら推論して先に進むための道のりを考えればよいわけです。極論これらの動作をガチャガチャやっていればクリアできてしまうこともありえるでしょう。
一方でこのゲームの謎解きというのはスマホの「脱出ゲーム」に近いです。脱出ゲームではいくら思考をこねくり回そうと、必要なアイテムがそろっていなければどうにもなりません。このAlyxも脱出(先に進むための道を作る)ためにどのオブジェクトを触ればいいか、どの物体を見ればいいのか、に気づけないと思考のしようがないわけです。
詰まった時のヒントも基本的にありません。普通の人は基本的にこんなところでは詰まらないと思いますが、自分はチャプター2の閉じた扉の横の窓に箱を運んでその上に乗って屋内に侵入するというのですらに気づかずに結構な時間詰まりました。
「重たいものでも動かせること」「テレポート移動である程度の高さなら登れ、またオブジェクトの上にも乗れること」の2点に気づかなかったからです。扉をいじれば開くのだと思いドアに突っかかってる棒をどかそうとしたり機械部をマルチツールで弄ろうとひたすら頑張っていました。
「同じブロックを動かす」ということでも今回も時のオカリナと比較すると、そちらでは初めて動かせるブロックに出会ったときはナビィが「このブロック前に立ってAでつかむと動かせるよ」と教えてくれます。こういった初見のオブジェクトに対するヒントはALyxではほとんどありません。通信係のラッセルがヒントをくれたのは中盤のたったの1回です。
話がそれましたね。このままだとゼル伝の話になってしまうので切り上げますが、とにかくこのゲームはヒントがないため視野が狭くひらめきがない人にとってはとても難しいものになります。
これに関しては自分が話を聞かないのがいけませんでした。チャプター1を遊んでからチャプター2を遊ぶまでに数日開けていたのもありますが、最初に「重いものは両手で動かせます」と右手に説明文が出ていたのをスルーしていました。人の話はちゃんと聞きましょう。(ただそこで出たっきりで扉の前で迷ってたときにはヒントは出なかったのでそこでも出してほしかったですね)
ただしブロックの上にもワープで乗れるのは特に説明がなかったと思います。地形以外にモノの上にも乗れるかもしれないという発想力は必要です。全体的にこのゲームはカンの鈍い人や視野の狭い人には優しくないのは否定できませんね…Alyxにもナビィほしい…
追記:VRゲームにナビィがいたら上の方に書いた主人公たちが重要な物体を見てるのにプレイヤーがそれを発見できてない問題も解決しますね。人間の目は動くものに敏感ですし、ナビィを目で追ったら自然と対象物を見ることになるので…
ここで重要なのは「先に進むことだけにこだわらず、その場にあるものを楽しむ」心の余裕です。
急いで先に進むことを考えて遊ぶと途端にこのゲームは苦痛なものになります。何を見ればいいのか、何を触り操作すればよいのかに気づけないと同じ場所でずっとグルグルし続けるハメになるからです。
最初の項目でも書いたように、このゲームは細部の作りこみに力が入れられています。ひょっとしたらそれを楽しんでもらうためにあえて謎解きに詰まって同じ場所に長時間いるような設計にしたのかもしれません。
周りの風景を見たり、小物を眺めてみたり、物音に耳を澄ませてみたり、そういったことを楽しんでゆったりと進むのが心を穏やかにして楽しむ方法なのかもしれません。
高画質設定で遊べば、わざわざ「頑張って作り込みを見ることを楽しむ」ということをしなくても自然と「作り込みすげーーー」と思わされます。
そもそも落ち着いた精神状況で遊べば迷いすぎてイライラする人は少なめかもしれません。保証はできませんが…
またもしも一周目を高画質で遊んだとして結局銃弾にはこだわっただろうのでイライラしなかったかと言われるとわかりませんね。
遊び方の結論
銃弾の数にせよ謎解きにせよどちらについてもいえるのが、このゲームを遊ぶときは真面目になりすぎないのが大事ということかもしれませんね。
弾丸不足にしろ謎解きのつまりにしろ時間をかけてゆっくり遊んでいればそのうち解決するので「なんとかなるさ」という気楽さを持ってのんびり遊んでいく必要がありそうです。
「チマチマした事はいいから物理演算の世界で自分の思い通りに戦いたい」という人は以下のゲームをお勧めします。
H3VR:VRで銃を弄り倒せる。敵・銃・オブジェクトが物理演算で動く。多数の銃があり動作がリアルなので好きな銃がある人は特におすすめ
Blade&Sorcery:物理演算の世界で剣やメイス、槍などの中世の武器を使って戦闘する。敵を掴んで投げたりも可能。壁とか木の枝とかなんでもつかめる。頑張ればがけ登りとかもできる。
Pavlov:近距離オンライン銃撃戦特化ゲー。物理演算ではないが、ひたすらドンパチやりたい人にはかなりおすすめ。MetaQuest2版はSideQuestの導入がいるが現在ベータ版のため無料。
このゲームはのんびり気楽に遊ぶのが良いのは間違いないですね。完全初見では弾が最低限もらえることがわからないでしょうし追い詰められると弱い人はやはり辛くなると思いますが…
戦い特化のゲームはグラフィック設定が低くても楽しめるので2022年現在でエントリークラスのPCの人にもおすすめです。PavlovはMetaQuestを持っているならまずはそちらで試してみましょう。
結論
戦うことと先に進むことに執着しない事。周りの世界観とか小物の作りこみとか空気感とかそういうのも含めて遊ぶように作られたゲーム。先に進むことにセカセカし、弾丸探しにキリキリしてると楽しめない。
操作感や戦闘は普通に良い。戦いは十分に満足の行くものだった。
ホラーをどう感じるかは自分の目で見てみないと分からない。
以上!!
しつこいですが高画質で遊べば”頑張って”雰囲気を楽しもうとしなくても自然に楽しめます。
少ない弾数を「そういうものだ」と割り切る心は必要。
超余談
(検索用にVRFPSと書きましたが、実際はVR探索ゲー、VRパズルゲー、VR雰囲気ゲーと言った方が遊んだ感想は近いかもしれませんね。)
こう考えるとゼルダの伝説ってすごいですね。ヒントを沢山出してくれるからひらめきが得意な人もそうでない人も楽しめるし、最新作のBotWに至っては極論何一つ謎解きをしなくてもクリア自体はできてしまいます。祠に関しても物理を利用したゴリ押しもできるしクリアするかどうかも選べますし…
もしこの記事を読んでいる人でVR謎解きゲーを作ろうと思っている人がいたらカンの鈍い人や視野の狭い人でも遊べるようにお願いします……
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