「あやうく一生懸命生きるところだった」を読んだ感想。心に余裕がある人はここだけ読めばOK【書評】【個人的要約・まとめ】

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※この記事は「精神的にある程度の余裕があって、自己啓発書が好きな人」向けです。基本的にあんまり読む価値はありません。

こんにちは、まっちゃんです。名前だけは何度か聞いていた「あやうく一生懸命生きるところだった」を偶然図書館で見かけたので暇つぶしに読んでみました。

第一に読んで思った感想としては、「この本は精神的に非常に追い詰められている人向け」だということです。(あとでAmazonで見たところ、帯を見たら読む前に気づけそうですけどね。図書館の本は帯がついてないので…)心に余裕がある人や自分が努力することに納得している人は最後の最後に引用されているこの格言だけ覚えておけばいいでしょう。

子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず

孔子

意味は、「その物事について詳しい人は、それが好きな人に勝てない。それが好きな人も、それを楽しんでやっている人には勝てない」という感じです。
たしかこの本だと「努力する人は夢中になっている人には勝てない」というようなニュアンスで書かれていたと思います。

後はこれも終盤の方の「大衆にはモテないけれど自分のロマンと少数派の女性のためにヒゲを生やす男性たち」の話も勉強になるかもしれません。

前向きというか未来に活かせる話はこれくらいで、残りは本当に心がギリギリまで追い詰められている人向けです。

ここ以外の文章は以下の4点を言い回しや具体例を変えてひたすら繰り返してる感じです。

・努力や人生はうまくいかない
・ダメな自分や人生を愛そう
・社会や常識の言う「正解」より自分の「好き」を信じよう
・サラリーマンは時間を売って将来の幸せを買っているが、それは意味がない

なので今会社勤めでうまくいかず本当に心がギリギリって人以外は読まなくても良いと思います。帯にも書いてありますが頑張り続けて限界に達した人にとっては自分がゆったりするのをゆるせるようになるのでお勧めかもしれません。

(要約・まとめはこれで終わりです。残りは自己啓発書でよく扱われる努力について持論を語っているだけです。)

努力について

この本の前半部分は「努力は必ずうまくいくわけではないし、努力しなくてもうまくいってしまうこともあるのだからのんびりやろう」ということを引き延ばして書いています。

この本は決して努力を全て無駄と言っているわけではなく、むしろ途中で「たとえ失敗をしたとしてももっと挑戦をした方がよかった」と書いています。ですが、太字や色付き文字の装飾で努力することの意義の薄さの方が強調されているため、読み手としては努力が無駄なように感じることでしょう。

この本に限らずですが、僕は自己啓発書は2種類あると思っています。

1つめは一般的ないかにも「努力はすべてを解決する!」という感じの頑張らせる自己啓発書。もう1つはここ数年で増えた「ゆるむ、あきらめる」をモットーにした頑張らない自己啓発書です。

この本は後者ですね。後者にはスピリチュアル系の本も紛れてたりもします。

一般的に前者は「努力すれば夢は叶う、あきらめずに頑張ろう!」と言い、後者は「努力しても夢は叶わない、あきらめるのが大事」と言うことが多いです。

実はこれらはどちらも間違っています。

どっちも筆者が自分が真実だと思っていることを書いているだけで、実際はその中間です。何を読んだにせよ鵜呑みにしすぎないことが大事です。

努力は必ずしも意味があるわけじゃないし、必ず意味がないわけでもない

頭のいい方ならとっくにご存じだと思いますが、これらの問題は努力を100かゼロかで考えてしまうことです。

絶対的に努力が意味があることも、絶対的に意味がないことも確かに存在します。例えばテスト勉強は大多数の人は勉強すればするだけ点数を上げることが可能です。一方で(あまりにも下手な例ですが)「木の棒一本で太陽より大きい隕石を打ち返せ」と言われたらいくら努力してもどうにもならないでしょう。

しかし大半の事柄については「努力すれば(必ず成功するとは言えないけれど)成功率が高まる」というレベルに収まるはずです。

必ず成功する努力はないが、努力は「成功率」を高める

努力することは「物事を思い通りに進められる”確率(可能性)”」を高めます。大学受験の模試に書いてある「合格率」は分かりやすいですよね。

自分の能力に起因する割合が大きいほど努力によって変動する目標を達成できる確率は大きくなります。その物事次第です。努力の有効性は努力の量だけではなく、本人の才能や競争相手の能力、環境や運などいろいろな要素が絡みます。ですが見当違いなことをしていない限り可能性は高まります

努力して上がる可能性は0.001%くらいかもしれませんし、40%くらいはあるかもしれません。

努力によって上がる”可能性”をどれくらい評価するかで努力に対する価値観が変わります。本によって努力に対する考えが180度違うのはこのためです。

世の中には頑張ることを推奨する本も否定する本もあります。ですがどちらも言うことを鵜呑みにしてしまうと、前者を読んでは頑張りすぎて疲れたりうまくいかず憤ったりし、後者を読んでは何も成果が得られないことに怒ったり人生そのものに絶望してしたりしてしまいます。

文章の筆者は「自分が強調したいこと」を大げさに書くから気を付けよう

タイトルの通りです。というか僕の記事だってそうです。自分は過去に自己啓発書に踊らされ、ガンバレ系の本を読んだある時はひたすら頑張り、あきらめよう系の本を読んだある時はひたすら怠けまくりました。

ですがどっちでも本で書いてあったような劇的な効果は得られませんでした。当たり前ですよね。繰り返しになりますが頑張りすぎれば心は折れるし、頑張らなさ過ぎれば思い通りの結果が得られるはずがありません。

そういう経験をしたからこそ、中間の「結果に繋がるかは不確実だけれど、可能性を高めるために努力をする」ということを強調して人に伝えるようになったわけです。

ですが僕の「努力は完全に無駄でも完全に有意義でもない、その中間」という持論だって、真実ではなく考えです。もしかしたらやってきた全ての努力がまったくもって報われなかった人も本当にいるかもしれないし、ちょっとした努力が全て成功してきた人だって存在するかもしれません。努力の例に限らずデータの記載のない文章は筆者が信じていることが書いてあるだけです。だからみんなエビデンスエビデンスと言うわけですね。

人によっては努力をした方がうまくいくかもしれませんし、もしかしたら全く努力しない方がかえってうまくいく人もいるかもしれません。正解なんて人それぞれ違います。頑張れと言うのもあきらめろと言うのも筆者本人がそれが良いと信じているだけの話です。あまり真に受けずにエンターテイメントとして読むくらいがいいでしょう。

なぜ「これを知る者はこれを好む者に如かず。」だけ覚えておけばいいのか

子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず

孔子

最初に巻末の孔子の名言だけ覚えておけばいいと書きましたが、この名言が良いと思ったこと以外にももう一つ理由があります。

なぜなら、好きなことや夢中なことをやっていればそもそも努力うんぬんで悩むことが存在しないからです。

ただしここでいう「好き」や「夢中」というのは、それをすること自体が目的になってしまうくらいの夢中さです。

この本の筆者は昔絵を描くのが好きでイラストレーターとして生きることを志しましたが、絵描きを仕事にしたところ稼げないことに悩み、描くのが嫌いになりました。(より正確には絵描きがそれほど好きではない事に気づいた)
確かに並大抵の「好き」では、それで稼げなくて死にそうになってしまえば努力することに悩むでしょう。しかし本気の本気で「それがやりたいからやってる」というレベルの”好き”なら成果が出ようと出まいと”やりたいから”という理由で継続するので「努力するかどうか」なんかで悩むという選択肢がそもそも出ないのです。

二つの相反することわざ「下手の横好き」も「好きなものこそ上手なれ」もどっちも好きなものは勝手に続けてしまうからこそ成り立っているわけですからね。

じゃあどうするか

本気で好きだと思えることを見つけるしかありませんが、そんなものはやってみないとわかりません。本書で言われている「天職は探すものではなく出会うもの」というのと同じですね。

体力や気力にほんの少しでも余裕があれば、ひたすら新しいことを試してみればいいし、もし限界ギリギリなのであれば本書で言っているように自分からは探さず待つのもいいでしょう。

ただ、あくまで可能性ではあるけれども、ただ待っているよりは自ら動いた方が好きなものが見つかる「可能性」は上がるはずです。

この本を読んで学べたこと・良かったこと

正直「(有名になった割には)ある程度失敗を経験した人なら誰でもかけそうな本だな」という感想が浮かびましたが、読んでよかった部分もあります。

一つ目に韓国の社会が日本によく似ているということが学べたことです。この本の筆者は韓国人で、日本人の方が翻訳をしています。しかし日本人の本として全く違和感がなかったです。
年齢を重ねると周囲の人が結婚やマイホームなどの「この年齢ならこうあるべき」を押し付けるようになることや、「やる気」を皆がありがたがることなど、日本も韓国も似たような状況があるんだと学べました。

2つ目にこれは文章の書き手として学べたことで、捉え方や書き方によって伝わる印象が変わるということです。

https://ten-navi.com/dybe/6720/

これは熱血なことで有名な松岡修造さんのインタビュー記事です。この記事で修造さんは「努力すればだれでもテニスの世界王者になれる」なんてことは言っていません。むしろ夢がかなわない人の方が多いと言っています。

今日紹介した本も、この記事も取り上げた物事と結論のメッセージの一つは同じです。「努力をすれば必ず報われるわけではない」という物事も、「人と比較しないことが大事」というメッセージも共通しています。でも途中の書き方やアプローチの違いで、あきらめて逃げるのか、切り替えて前に進んでいるのかの印象は大きく違っています。(この本がつかれた人・休みたい人向けで、記事の方は頑張って結果を出したいビジネスマン向けという対象の違いもあるかもしれませんが…)

同じ出来事・同じメッセージでも伝え方次第で受けての感想が大きくが変わるというのは勉強になりました。

結論

  • 元気なら「好きなことや夢中になれることをしよう!」だけ考えればOK わざわざ買って読まなくてもよし
  • 病んでしまったならこの本の言うように頑張らずに過ごすのもアリ
  • 自己啓発書は鵜呑みにしないようにしよう!

以上!!

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